2025年6月から義務化!建設現場の熱中症対策、
対応できていますか?
2025年5月29日更新

近年の猛暑に加えて、現場では熱中症による事故が後を絶ちません。
そんな中、2025年6月1日から「熱中症対策」が法的に義務化されます。
もし対応が不十分な場合、事業者は6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金の対象になる可能性も。
現場の安全を預かる管理者にとって、今こそ本格的な対策が求められています。
自分の現場で、すでにできていること・これから始めるべきことを見直すタイミングです。
そんな中、2025年6月1日から「熱中症対策」が法的に義務化されます。
もし対応が不十分な場合、事業者は6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金の対象になる可能性も。
現場の安全を預かる管理者にとって、今こそ本格的な対策が求められています。
自分の現場で、すでにできていること・これから始めるべきことを見直すタイミングです。
目次
対象となる作業は?
「WBGT28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えて実施」が見込まれる作業です。
なんだか聞きなれないワードが出てきましたね。
WBGT(暑さ指数)とは?
「気温」「湿度」「日射(直射日光の強さ)」をもとにした熱中症リスクを示す指標です。
気温だけではわからない、体への負担の大きさを数値で見える化できます。
WBGT(暑さ指数)とは?
「気温」「湿度」「日射(直射日光の強さ)」をもとにした熱中症リスクを示す指標です。
気温だけではわからない、体への負担の大きさを数値で見える化できます。

参考:厚生労働省 職場のあんぜんサイト「暑さ指数(WBGT値)」
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo89_1.html
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo89_1.html
暑熱順化者(しょねつじゅんかしゃ)とは?
この表にある暑熱順化というのも聞きなれない言葉ですね。
この暑熱順化者というのは「暑さに体が慣ている」人のことです。具体的には、
気温が高い環境で少なくとも1週間以上継続的に同様の作業を行い、体が汗をかきやすくなったり、心拍数が落ち着いたりして
気温が高い環境で少なくとも1週間以上継続的に同様の作業を行い、体が汗をかきやすくなったり、心拍数が落ち着いたりして
熱中症になりにくい状態になった人のことを指します。
一度順化しても、数日休むと効果が薄れてしまうので
新しく現場に入る人や長期休暇明けの人は特に注意が必要です。
つまり、「WBGT28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えて実施」とは
現場作業である赤枠部分は春~秋にかけて多くの場合、熱中症対策義務化の対応が必要となるということですね!
現場作業である赤枠部分は春~秋にかけて多くの場合、熱中症対策義務化の対応が必要となるということですね!
現場で求められる主な対応は?
では、現場では具体的にどのような対応が求められるのでしょうか。
1.作業環境の管理
まずは、作業する場所自体の暑さ対策です。
• 直射日光や照り返しを防ぐ工夫
→ 簡易な屋根・テントを設けて、日陰を作ることが推奨されます。
• しっかり休める「涼しい場所」を用意
→ 冷房のある休憩所や日陰の休憩場所を現場のすぐ近くに確保しましょう。
2.作業時間と服装の管理
• 作業時間の調整・短縮
→ 特に気温が高くなる時間帯(午後1〜3時など)は、作業の一時中断やシフト制の活用など工夫を。
• 「暑熱順化」の期間を確保
→ 新人や久しぶりの現場作業者には、数日間にわたり少しずつ身体を慣らす期間を。
• 水分・塩分を定期的に取れるよう指導
→ 喉が渇く前に飲むよう周知を。作業中は15〜30分おきに補給できる環境を。
• 通気性の良い服装を推奨
→ 吸熱しやすい黒系の衣服は避け、空調服や冷感インナーの支給も有効です。
• 作業中のこまめな見回り
→ 現場責任者やリーダーが定期的に労働者の様子を確認しましょう。
3.健康状態の確認と管理
• 健康診断の結果を活用
→ 持病や体力に不安のある作業者には無理をさせない配慮を。
• 日常の健康管理も重要
→ 寝不足・二日酔い・朝食抜きなどが熱中症のリスクを高めます。
作業前の声かけやチェックリストで体調確認を。
• 不調の兆候を見逃さない
→ 作業中にフラフラしていないか、汗のかき方が異常でないか等を注意して見守ります。
4.教育と意識づけ
• 作業員と現場管理者の両方に教育を
→ 義務化されているのは対策だけではなく「教育」も含まれます。
→ 特に以下の内容を共有しておくことが求められます:
- 熱中症の主な症状(めまい・吐き気・大量の汗・意識障害など)
- 予防の基本(こまめな水分補給・無理をしない)
- 緊急時の対応(涼しい場所へ移動・衣服をゆるめる・水分を与えるなど)
- 実際の発症事例(注意喚起につながる)
自社での教育が難しい場合は外部の労働衛生教育を活用することもできます。
タカミヤでも熱中症予防教育を実施しております。
- 熱中症の主な症状(めまい・吐き気・大量の汗・意識障害など)
- 予防の基本(こまめな水分補給・無理をしない)
- 緊急時の対応(涼しい場所へ移動・衣服をゆるめる・水分を与えるなど)
- 実際の発症事例(注意喚起につながる)
自社での教育が難しい場合は外部の労働衛生教育を活用することもできます。
タカミヤでも熱中症予防教育を実施しております。
実際におきてしまったら?
基本的な考え方
見つける
▶
判断する
▶
対処する
熱中症のおそれがある労働者を早期に見つけ、その状況に応じ、迅速かつ
適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するため、
「体制整備」、「手順作成」、「関係者への周知」が
事業者に義務付けられます。
・見つけたら知らせる体制の整備
適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するため、
「体制整備」、「手順作成」、「関係者への周知」が
事業者に義務付けられます。
・見つけたら知らせる体制の整備
「熱中症の自覚症状がある作業者」や
「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」が知らせることのできる体制の整備・連絡先の明記
「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」が知らせることのできる体制の整備・連絡先の明記
▼画像クリックでPDFが開きます。印刷して現場に貼ってご使用ください。
「職場における熱中症対策の強化について(PDF)」(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/content/001476823.pdf)を元に㈱タカミヤが作成
・重篤化防止のための手順書(フローチャート等)の作成
緊急時の判断を素早く・的確に行うため、現場に合ったフロー図の作成が必要です。
フロー図例:

・これらの流れの周知

出典:厚生労働省ホームページ「職場における熱中症対策の強化について(PDF)」
(https://www.mhlw.go.jp/content/001476823.pdf)
(https://www.mhlw.go.jp/content/001476823.pdf)
義務化対応は早めが肝心
熱中症は命に関わる重大リスク。
現場の従業員を守るためにも、しっかりと準備を進めておきましょう。
必要な対策は、自社で整えることも、外部の力を借りることもできます。
それぞれの現場に合ったやり方で、無理なく効率的に対応していくことが大切です。
現場の従業員を守るためにも、しっかりと準備を進めておきましょう。
必要な対策は、自社で整えることも、外部の力を借りることもできます。
それぞれの現場に合ったやり方で、無理なく効率的に対応していくことが大切です。
タカミヤでも、熱中症予防教育を実施しております。
また、様々なプログラムを組み合わせて受講できるワークショップも開催しております。
どんな講座を組み合わせられるの?新入社員・中堅社員それぞれに合った講座を受講したい!
など、お気軽にご相談ください。お問い合わせ・お申込みは下部フォームよりご入力いただけます。
タカミヤでは社員が個々に発信できる社内掲示板があるのですが、
その中で防災についての発信もおこなわれています。
機材センター(Base)周辺の避難所等や広域避難場所などのマップを作成し、
事務所やトイレに貼った社員がいたり、
大雨洪水情報のお役立ちサイトを共有している社員がいたりと様々です。
こういった情報は頭の片隅にあるといざという時にも役立つものです。
企業防災といえども、一人一人が意識して取り組んでいくことが大切ですね!