木造住宅の
地震対策について

2024年9月30日更新

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地震対策で耐震、免震、制振の違いがわからなくて困った経験はございませんか?

2024年1月1日に能登半島地震により多くの方が被災され、
12万棟を超える住宅に被害がありました。

日本の木造戸建住宅について、「耐震構造」「免震構造」「制振構造」の3つの構造の
メリット・デメリットから、どのような木造住宅を建てるか考えて行きましょう。

目次

耐震構造とは


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耐震構造とは、住宅の壁や柱を固く、強固にすることで地震がきても倒れにくい構造です。
木造住宅を耐震にする場合、以下のような方法があります。

①面材耐力壁を取り付ける
 柱と柱に壁量を持っている面材を取り付け、固くします。

②筋交いを取り付ける
 柱と柱の間に斜材を入れて、固くします。

③耐震金物を使用する
 柱と土台等接合部に耐震金物を使用し、固くします。

この構造は、地震の揺れは建物にそのまま伝わります。
2階以上の階では1階に比べ、揺れは大きく激しく、室内の被害が大きくなります。

最も基本的な構造であり、比較的コストを抑えて導入することが可能です。
住居者の生命を守るために日本では耐震等級1~耐震等級3までの三段階評価となっています。

しかし、繰り返しの地震では、倒壊を防げても建物へのダメージは段々と蓄積されてしまいます。


免震構造とは

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免震構造とは、地震による揺れを建物に直接伝えない構造です。
通常の建物は、基礎と建物を直接固定しているため地震の揺れがそのまま伝わりますが、
免震装置で縁切りをして地震の揺れが建物に直接伝わらないようにしています。

地震対策の中では、一番揺れを減らすことが出来ます。
この方法は最大90%程度まで地震の揺れを低減することが可能になると言われ、
地震の揺れ対策として最善と言えるかもしれません。

しかし、設置するための諸条件やコストが高い事もあり、戸建て住宅への採用は低い傾向にあります。

制振構造とは


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制振構造とは、地震による建物の揺れを抑えたり損傷を小さくする構造です。

揺れを小さくするために、壁の中に制振装置を取付けます。
制振装置が、地震や風により建物が揺れる時の振動エネルギーを熱エネルギーに
変換し吸収することにより、建物の揺れを抑えたり損傷を小さくします。
そのため耐震構造に比べ建物にダメージが残りづらく、
繰り返しの地震に対応することができます。

設置方法についても比較的容易であり、壁倍率の認定を受けている制振装置もあり、
筋交いと置き換えて、壁量計算に算入できるような場合があります。

制振構造は、建物のダメージを耐震構造より抑えることが出来るだけでなく、
免震構造よりもコストも抑えることが出来ます。

まとめ

今までの内容を以下にまとめました。
 
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建物コストを考えた場合、耐震構造が安価です。
建物へのダメージを抑えることを考えた場合、免震構造が効果が高いです。

しかし、建物へのダメージとコスト両方抑えたい方も多くいらっしゃると思います。
そういった方には、安価な耐震構造と合わせて制振装置を入れることがおすすめです。
実際に多くのハウスメーカーでも制振装置の採用が増えてきています。

ただし、一概に制振構造といっても、制振装置は数多くあります。
自分にあった制振装置は何なのか?お困りの方は、ぜひタカミヤにご相談くださいね。



表形式及び杭伏図形式で入力が可能になっているので、視覚的に分かりやすく、設計をすることが出来ます。
また、全ての項目でExcelベースとなっており、コピー&ペーストで入力することが出来ますので、
人為的なミスが少なく、簡単に入力が出来ます。
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ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
2019年に発刊された「建築基礎構造設計指針」、2022年に発刊された「基礎部材の強度と変形性能」、それらを踏まえた設計例が2024年に出ました。
日進月歩変わりつつある杭基礎の設計環境に対応するべくこのプログラムも更新を続けていきます。
少しでも建設会社、設計事務所、杭メーカー、杭施工会社の技術者の方の技術検討のお役に立ちたいと考えております。
その検討をしていく中でぜひCP工法、及びCTP工法の使用もご検討して頂けましたら、幸いでございます。
お困りごとやご相談がございましたら、何なりとお問合せ下さい。