人手不足解消のカギは女性活躍?
リアル座談会レポート

2025年2月26日更新

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3月8日の国際女性デーを迎えるにあたり、建設業界における女性の活躍に焦点を当てた座談会を開催しました。
人手不足が深刻化する中、女性がより活躍しやすい環境を整えることは、業界全体の発展にもつながる重要な課題です。

本座談会では、タカミヤを含めた同業3社の実務者が集まり、女性が働きやすい職場づくりやキャリアの可能性について意見交換を行いました。他社の取り組みを知ることで、自社の強みを再発見し、より良い環境づくりへのヒントを得る機会となりました。

本コラムは全2部構成の第1部として、女性活躍にフォーカスした内容をお届けします。
第2部では若手の活躍について取り上げ、後日公開予定です。

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目次

参加企業様、参加者様のご紹介

座談会は、各社、人事部門より1名・実務者1名の計2名を選出。
ゲストには、日本仮設株式会社様、株式会社アクトワンヤマイチ様をお迎えし、
Takamiya Lab.Westのコラボレーションスタジオで開催致しました!

司会はタカミヤより、事業開発部 川合が務めさせて頂きました。

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ジェンダーレスな職種って?

司会者:建設業界においては「現場主義」みたいなものが根強くあり、どうしても体力的な部分などで制約が出てしまう女性の活躍が難しかった背景があるのではと推測しているのですが、どんな職種・どんな部署であれば、ジェンダー関係なく、能力が発揮できそうでしょうか?


濵谷さん:タカミヤにて女性が多い部署は「業務課」という受発注業務を主に行う部署です。事務職の方々に活躍頂く環境は概ね整っており女性の人数も多いのですが、基幹職(いわゆる総合職)の人数はまだまだ少なく、活躍できる場所を整えていきたいと思っています。

村上さん:同じく受発注業務部門で活躍している女性が多いのですが、近年は本社部門においても部署の広がりがあり、女性社員が倍以上になりました。

藤森さん:日本仮設も事務部門に女性が多く所属はしておりますが、設計課においては半分くらいが女性社員となっており、管理職も女性です。設計部門はジェンダー関係なく力を発揮できる部署なのかな、と思います。


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司会者:タカミヤでも、技術部積算課は女性が活躍していますよね! 近年はIoT技術も発達してきたので、リモートなどで現場に行く必要なく打合せも出来ますし、ジェンダーに関わらず能力を発揮できる職種なのかもしれませんね。 また今回ご参加頂いている、納富さん・乾さん・伊藤さんは企画営業職やマーケティングのような職務に携わっているようですが、この辺りは実際やってみてどうですか?


納富さん:働き方に関して体力を使うという事もないので、性別に関わらず力を発揮できる職務だと感じています。

乾さん:マーケティング業務や、資料を作る‥など、第一線じゃない部分でなら女性も活躍出来ると思いますし、逆に女性ならではの部分で売上に貢献していける事があるのではと可能性を感じます

伊藤さん:メールマガジンやカタログ作成などに過去携わってきましたが、必要なスキルとしては感性や表現力などになるので、女性でも活躍していけると思います。

在宅・フレックス ~働きやすい環境づくりとは?~

司会者:ライフタイムイベントの影響を受けやすい女性がキャリアを積み上げていく上で、働きやすい環境づくりも企業に求められている事だと思います。昨今の働き方改革でも「在宅勤務」や「フレックスタイム制度」など導入されている企業様も多いと思いますが、部署間格差で導入がなかなか進まないなど課題などはございますか?


村上さん:時差出勤や在宅勤務の制度があっても、条件に当てはまってないと使えない・・というハードルがあります。また、所属する部署によってOK・NGとなってしまう点などに、課題を感じています。

藤森さん:確かに職種によって、出来る部署と出来ない部署があるのも事実で‥働き方に違いがある部署同士で足並みを揃えるよりも、それぞれに合った運用を考えることが大切ですよね

村上さん:そうなんです。なので出来るような体制をもっと作っていくこと整えていく事が、求められているのかなと思います。

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納富さん:私が所属している課では、在宅勤務とフレックスタイム制度を積極的に取り入れていて、ワーキングマザーとしてはとても働きやすいです。今もフルタイムとはいきませんが、出産前とほぼ変わらない7.5時間働く事が出来ています。

濵谷さん:出来ない部署に引っ張られないように‥という観点では、タカミヤでは今年から、働き方改革で生産性を上げた部署を表彰するという制度も始まりました。 また、名古屋支店では、受発注業務を行う部隊でも在宅勤務が出来るような環境を整えている事で、募集の際に「在宅勤務可能」などと謳える為、求人の応募も段違いです。


一同:(驚き)えーーーそうなんだ!!!すごい!


司会者:働きやすい環境を整える事で、実際に求人が増えるという事が数値として出ているようなので、このような成果を横展開し、各社前向きに検討していけるといいですよね。

育児休暇・男性育休 ~サポート体制について~

司会者:育児休暇は、女性だけでなく男性の取得率もあがってきました。女性は1年ほど休むパターンも多いので、補充人員などの話が上がりやすいのかもしれませんが、男性育休は取得期間が1~2ヶ月という事も多く、育児休暇を受け入れる側への負担も課題となるのではないでしょうか。受け入れる側への配慮などで、何か取組まれている事はありますか?


濵谷さん:完全に現場任せになってしまっています・・・。

乾さん私は取得した側なのですが、引き継いでくれる方に申し訳ないな‥という気持ちになってしまうのも何か違うなと思っていたので、会社として、引き継いでくれる側の方々に評価をする場面があるといいのかなと思います。

藤森さん:弊社では、サポート手当というのを出そうかという話も出た事があるのですが「じゃあどこまでを対象に・・?」が課題となり導入とまでは行きませんでした。が、やはり受け入れる側の負担が大きいのは事実ですので、2024年度より、評価にプラス加点というものを取り入れてみています。

濵谷さん:いいですね、インセンティブのようなものなどでもいいかもですよね。

司会者:育児休暇によって社員のモチベーションが下がるのではなく、上がるような体制づくりが必要かもしれませんね。

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司会者:最後に女性のキャリアアップに関する話題に触れさせてください。女性はライフタイムイベントの影響でキャリアが一時的に止まってしまうなどの影響を受けやすいのかなと思います。自身も3人の子を持つ当事者の意見として「昇進試験」のようなものがあれば、人生やキャリアの計画が立てやすくなるのかなと思っているのですが、昇進試験などは導入されていますか?

藤森さん:特に設けておりません。

濵谷さん:管理職になる「条件」のようなものはありますが「試験」はありません。

村上さん:主任まではスキルマップと自薦もしくは上司の推薦により検討となりますが、課長補佐以上は、自己PR書+面接の試験を設けています。自分がなるべき姿とそのギャップで何が足りていないのかなどを記載し、面接で話して頂いております。

司会者:子育て期間に入ってしまうと、ここからいつ抜け出せるのかという先の見えない不安に何度も悩みました。最初の一歩目だけでも、ジェンダー関係なく、時短勤務中など関係なく、フラットにチャレンジ出来るそして評価してもらえる試験があれば、その先のキャリアも描きやすいのかなと感じています。

乾さん:他社事例で、ライフイベント型キャリア支援制度というものがあるそうで、その時々の環境にあった働き方を選べるような制度でした。子育て期間中もキャリアを諦める事なく、チャレンジしたい人にはチャレンジさせてもらえる環境があればいいなと思います。

まとめ

司会者:今回の座談会を通じて、どのような気づきが得られたか、また今後、自社に持ち帰り取り組みたいことなど一言ずつお願いします。
 
納富さん:タカミヤにおいても昇進試験のようなものがあれば、女性ならではのライフイベントがあっても、キャリアを設計しやすくなり、長く働いていく上での安心材料になるなと思いました。

濵谷さん:女性のキャリアを考えた時に、20代・30代と、それぞれのライフイベントも加味するとやりたい仕事と出来る仕事は変わってくると思います。社内公募などの制度があれば、1社の中でキャリアを積んで行く事が出来ると思うので、取組んでみたいなと思いました。

乾さん:子育てしてるから‥とか女性だから‥などに関わらず、チャレンジしたい人が手を挙げられる環境や、積極的に挑戦していけるような制度があればいいと思いました。

村上さん時短勤務やフレックス制度などをもっと活用していける風潮を作れたらいいなと思いました。またそれを発信する事で、周りの人も取りやすくなるような仕組みを作っていきたいです。

藤森さん:女性のキャリアアップに関する話し合いなどを社内で1回もしたことがなかったので、今回のような話し合いの場を持つことで、女性社員がキャリアについて考えるきっかけになればいいなと感じました。

伊藤さん:今回皆さんの話を聞いて、せっかく良い制度があっても、周りの理解がなければ活用出来ない・・周りの理解がとても大事なんだなと思いました。会社のみんなが共通認識で制度がどのようなものなのかを知る必要があるという事と、社員1人1人が主体的に行動できるレベルまで落とし込む事が大事だと改めて感じました。


■編集後記(司会者兼ライター:川合)

今回の座談会を経て、開催の目的であった、
 ・実務者同士で現場のリアルな課題感を共有し、他社事例よりカイゼンのヒントやHowtoまでを持ち帰る
 ・同業界の事例を実務者が知る事で、新しい気付きを得る、また自社の良さの再発見に繋げる

当目的がしっかりと達成出来たと感じました。そして何より、同じ業界内で、同じような課題感を持っている同志に出会えた事が何よりも心強く、これからも業界を良い方向に変えていきたいと思いました。
この出会いをきっかけに、今後共お互いが成長していけるよう、良い関係を築いていきたいです。

アフタートーク

若手の座談会の収録中、話したりない女性陣で別室でアフタートークを実施!

引率でお越し頂いておりました、アクトワンヤマイチ様の営業部 田中部長と、
人事課 鵜飼課長も交え、事前アンケートにあったアクトワンヤマイチ様の
『非喫煙者手当』について深堀りしました^^


司会者:アクトワンさんの非喫煙者手当ってどんな制度なんですか!?教えてください!

一同:え、そんな制度あるんですか!? いいですね!!

乾さん:私としては入社した時からあるのが普通だったので、逆に他の企業がないんや!!となりました><!

納富さん:吸っていない側の意見としては、喫煙者の方はタバコ休憩に行かれたりするのでそこに不信感があるというのは聞いた事があるので、そういう制度があれば、特に気にならなくなるかもしれませんよね。

伊藤さん:どうぞ、行ってきて!ってなりますね。笑

鵜飼さん:こちらの制度はもう導入して12~3年経つと思うんですけど、健康促進の意味合いも含めて導入しております。非喫煙者が申請を出し、上長の承認が得られれば、毎月5,000円が支給されます。

伊藤さん:そういうのに取組んでいると企業イメージもあがりますよね!!

納富さん:それだけでクリーンなイメージがありますよね。そして年間6万はおおきいですよね・・・!

伊藤さん:ほんとですよね。この手当が欲しいから喫煙辞めました!みたいな人もいるんですか?

鵜飼さん:いますいます!導入したての頃は、みんなタバコ辞めますみたいになってましたよ。(笑)

田中さん:僕の場合は、1回辞めたけどまた吸いだしたので、手当てをもらえなくなりました。(一同:笑)

司会者:こちらも先ほどの育児休暇取る側・残る側問題同様で、みんなが不公平感無く気持ちよく働ける環境がつくれたらいいですよね。