場所打ち杭で杭頭半固定工法ができるのは
ご存知ですか?

2024年12月16日更新

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場所打ち杭で杭頭半固定工法ができるのはご存知でしょうか?
その工法とは、【キャプテンパイル工法(CTP工法)】というもので、
条件によって、コストや施工性に大きなメリットがでる工法です。


毎年採用実績が増加し続けているこの工法ですが、
今回はなぜ設計者に選ばれるのかについてご紹介いたします。


目次

杭体および杭施工費のコストを減らせるから

CTP工法では、杭体と杭施工費の削減ができます。

具体的に杭体は、材料費分のコストを削減出来ます。
固定から半固定にすることで杭頭曲げモーメントが低減するので、杭径を絞ることができます。
(※杭径が杭頭曲げモーメントに依存する場合)

また、杭施工費は、土の処分費など土量関連の費用が抑えられます。
これは、杭径を小さくすることによって掘削土量が減るためです。newsletter-PCring-2_2.jpg


杭頭接合部の施工性が向上するから

CTP工法では、杭頭接合部の納まりが大幅に改善されるので、施工性の向上が見込めます。

通常、固定工法では杭頭に主筋が出ておりますが、CTP工法では主筋が出ておりません。
(※参考:下部右写真)
主筋が出ていないことで、配筋時に主筋を考慮する必要がなくなります
さらに、鋼管巻き場所打ち杭の場合には、外側鉄筋が不要になるため、より配筋の際の施工が簡単になります。

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基礎梁断面の縮小及び鉄筋本数を減らせるから

半固定工法は、曲げ戻しも小さく出来るので、基礎梁せいを縮小できます。
基礎梁せいが小さくなれば、梁のコンクリート量掘削土量関連のコストを減らすことが出来ます。
また、基礎梁せいが同じであれば、鉄筋本数を減らすことができます。
鉄筋本数を少なくすると、配筋作業が楽になります。
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局所的に使用することが出来るから

CTP工法は固定工法と併用して、局所的に使用することができます。

具体的には

一部の杭のみにCTP工法を採用して、杭径を小さくする
検定比の厳しい杭種のみにCTP工法を採用して、検定比を抑える。
・特定の梁の高さを下げたい場合にCTP工法を採用して、梁せいを小さくする。
・低層棟と高層棟が繋がっている建物で、高層棟または低層棟のみで採用する。

などが可能です。

そのため、全ての杭で半固定工法採用が条件的に厳しい場合にも、局所的に使用することで
CTP工法のメリットを得ることができます。


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まとめ

キャプテンパイル工法(CTP工法)は、固定工法ではコストが高すぎたり、杭頭接合部の納まりが悪いといった問題を抱えている設計者様にとって、解決の一助となる工法です。

地盤条件や建物条件、設計基準によっては、そのメリットが得られない場合もありますが、
もしお困りのことやご相談があれば、ぜひお問合せください。

まとめ

ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
2019年に発刊された「建築基礎構造設計指針」、2022年に発刊された「基礎部材の強度と変形性能」、それらを踏まえた設計例が2024年に出ました。
日進月歩変わりつつある杭基礎の設計環境に対応するべくこのプログラムも更新を続けていきます。
少しでも建設会社、設計事務所、杭メーカー、杭施工会社の技術者の方の技術検討のお役に立ちたいと考えております。
その検討をしていく中でぜひCP工法、及びCTP工法の使用もご検討して頂けましたら、幸いでございます。
お困りごとやご相談がございましたら、何なりとお問合せ下さい。